介護日本語評価試験は、介護のことば・会話・声かけ・文書の三分野から15問が出て、試験時間は30分、CBT方式で、2026年4月1日からは総得点の73%以上が合格基準です。公式テキストの三分野を、用語は場面と、会話は依頼と確認と、文章は事実と未確認の区別とセットで学び、サンプル問題で形式に慣らしましょう。
試験の位置づけ:介護の現場で使う日本語をみる試験
介護日本語評価試験は、介護分野の「特定技能1号」に関わる介護特定技能評価試験の日本語部分です。一般の日本語試験とは別に、介護の現場で使う日本語を確かめます。
介護分野で在留資格「特定技能1号」を目指す場合、厚生労働省が実施する介護特定技能評価試験の二つの部分、つまり技能評価試験と日本語評価試験に合格すること、さらに国際交流基金日本語基礎テストか日本語能力試験N4以上に合格することが基本になります。つまり、この試験は介護の日本語に特化した試験で、一般の日本語試験の代わりにはなりません。
免除になる人もいます。介護職種の第2号技能実習を良好に修了した方、介護福祉士養成施設を修了した方、EPA介護福祉士候補者として4年間の在留期間を満了した方は、介護特定技能評価試験が免除されます。
また、試験に合格しても在留資格が必ず認められるわけではない、と公式に注意書きされています。在留資格の申請は別途の審査対象です。合格は出発点と考え、次の手続きの情報も早めに確認してください。
出典: 介護分野における特定技能外国人の受入れについて(厚生労働省) — 「2.特定技能評価試験及び日本語試験について」の試験概要・受験資格・申込み方法の節; 介護分野の特定技能評価試験学習用テキスト 改訂2版(2025年3月) — はじめに・本書の使い方、介護の日本語パート(ことば・会話・声かけ・文章)、記録の基本
出題形式と合格基準を知る
試験は15問・30分で、コンピューターを使うCBT方式です。2026年4月1日からは総得点の73%以上が合格基準です。
出題は三分野に分かれています。「介護のことば」「介護の会話・声かけ」「介護の文書」がそれぞれ5問ずつ、合計15問です。回答は会場のコンピューターで行います。
結果は試験終了後、会場の画面に表示されます。試験実施後5営業日以内を目途に、専用ウェブサイトで氏名や総合スコア、合否などを含むスコアレポートを取得できます。
| 出題分野 | 問題数 |
|---|---|
| 介護のことば | 5問 |
| 介護の会話・声かけ | 5問 |
| 介護の文書 | 5問 |
| 合計 | 15問 |
出典: 介護分野における特定技能外国人の受入れについて(厚生労働省) — 「2.特定技能評価試験及び日本語試験について」の試験概要・受験資格・申込み方法の節
介護のことば:動作の主体で用語を区別する
ことば分野では、排泄・みじたく・入浴・家事などの生活場面に関連する語を、場面ごとのまとまりで読み取れるように学びます。
介護のことばは、排泄・みじたく・入浴・家事などの生活場面ごとに用語リストがまとまっています。単語を単独で覚えるより、「入浴の場面では温度・浴槽・清拭」「排泄の場面では尿意・便座・ポータブルトイレ」のように、場面ごとにまとめて覚えるほうが記憶に残ります。
学習用テキストの語彙リストは生活場面ごとに整理されています。まず場面名を見て関連語を思い出し、次に関連語を見て場面名を答える、という双方向の確認をすると、単語を孤立させずに復習できます。
次の練習問題で、この区別を確かめてみてください。
練習問題
この節で示した場面別の分類に基づくと、「入浴」の場面にまとめて覚える組み合わせはどれですか。 ① 温度・浴槽 ② 尿意・便座 ③ 便座・ポータブルトイレ ④ 尿意・ポータブルトイレ
答えを表示
① 温度・浴槽
この節では、入浴の場面の例として温度・浴槽・清拭を、排泄の場面の例として尿意・便座・ポータブルトイレを挙げました。場面名と関連語を組にして確認する問題なので、①が該当します。
出典: 介護分野の特定技能評価試験学習用テキスト 改訂2版(2025年3月) — はじめに・本書の使い方、介護の日本語パート(ことば・会話・声かけ・文章)、記録の基本
会話・声かけ:依頼と確認、時系列を読み取る
会話分野では、だれがいつ何をするのか、依頼と確認のやり取りを正確に読み取る力が問われます。声かけでは、本人に選択肢を提示して選んでもらう形が基本になります。
介護現場の会話は、時刻や順番の情報が小さく含まれます。「2時に診察がある」「1時45分に迎えに行く」のように、二つの時刻が並ぶと、どちらがどの行為かを取り違えやすくなります。読むときは「いつ・だれが・何を」を一文ごとに区切って確認する習慣をつけてください。
声かけの学習では、本人の意思決定を支える形を意識します。公式テキストでも、選択肢を提示し、それぞれの良い点と悪い点を丁寧に説明し、本人自身に選んでもらうことが示されています。「はい/いいえ」で答えられる質問ばかり続けると一方的なやり取りになるため、自由に答えられる質問も交えること、また「なぜ」と理由を問い続けると相手が責められたと感じることがあることにも注意が書かれています。
次の練習問題で、時刻の並びと話者の役割を読み取る練習をしてみてください。
練習問題
次の会話を読んで、会話の内容で正しいものを一つ選んでください。 職員:「田中さん、午後2時から医師の診察があります。1時45分に部屋までお迎えに来ますね。」 田中さん:「わかりました。でも、その前に髪をとかしたいです。」 職員:「いいですよ。では、1時45分に伺います。それまでに準備できますか。」 田中さん:「はい、大丈夫です。」 ① 田中さんの診察は、午後2時からです。 ② 職員は、午後2時に田中さんの部屋へ行きます。 ③ 田中さんは、診察の後に髪をとかします。 ④ 田中さんは、髪をとかすことができません。
答えを表示
① 田中さんの診察は、午後2時からです。
②は時刻と行為の取り違えです。1時45分は職員が部屋へお迎えに行く時刻で、診察は2時からです。③は順番の取り違えです。田中さんはお迎えの前に髪をとかしたいと言っているので、診察の前です。④は内容の読み違いです。田中さんは「大丈夫です」と答えており、できないとは言っていません。会話問題では、時刻・順番・話者の三つを区切って確認すると正答に届きやすくなります。
- ミニドリル(答え付き):同僚の職員が「今日は利用者さんの入浴の日なので、お風呂の用意をお願いできますか」と頼んできました。引き受けられるときの返答はどれがよいでしょう。→「はい、わかりました。何時に用意すればいいですか」。依頼を受けるときは、承諾の返事に加えて時刻などの具体情報を確認する言葉を添えると、伝え合いが明確になります。
出典: 介護分野の特定技能評価試験学習用テキスト 改訂2版(2025年3月) — はじめに・本書の使い方、介護の日本語パート(ことば・会話・声かけ・文章)、記録の基本
文章:申し送り文は事実と未確認を分けて読む
文章分野では、介護の記録や申し送りに使われる表現を読みます。起こった事実と、まだ分からないことを区別して読むのが基本です。
介護はチームで行うため、計画書やケース記録、申し送りノートで情報を共有します。公式テキストでは、記録はその日のうちに書くこと、日付と時刻を正確に書くこと、そして事実を書くことが基本とされています。事実には、本人が見たことや訴えなどの主観的事実と、職員が観察したことや数値などの客観的事実があることも示されています。
申し送り文では、日時、量、本人の言葉、職員が確認したことを分けます。「確認できていない」は情報が不明であること、「まだ報告していない」は報告という行動が未実施であることです。どちらも「まだ」を含みますが、意味は違います。
次の練習問題で、申し送り文の読み取りを練習してみてください。
練習問題
【オリジナル読解練習】次の申し送り文を読んで答えてください。 「9月16日14時、Dさんは『今日は図書室へ行きたいです』と話しました。職員が予定表を確認すると、図書室の利用は15時からでした。Dさんが持っていく本はまだ確認できていません。担当職員への連絡はまだしていません。」 ① 図書室を利用できるのは何時からですか。② 不明な情報は何ですか。③ まだ実施していない行動は何ですか。
答えを表示
① 15時からです。② Dさんが持っていく本です。③ 担当職員への連絡です。
14時は発言を記録した時刻、15時は利用開始時刻です。持参する本は「まだ確認できていない」ので不明です。担当職員への連絡は「まだしていない」と分かっています。未確認の情報と未実施の行動を区別し、文章にない内容を補わずに答えます。
出典: 介護分野の特定技能評価試験学習用テキスト 改訂2版(2025年3月) — はじめに・本書の使い方、介護の日本語パート(ことば・会話・声かけ・文章)、記録の基本
準備の進め方と公式教材
厚生労働省が公表している学習テキストとサンプル問題を使い、ことば・会話・文章の三分野を通して学習します。申込みや日程は公式ページで最新情報を確認してください。
学習の中心になるのは、厚生労働省の補助事業で作られた公式の学習テキストです。2025年3月に改訂2版が公表されており、「介護技能」と「介護の日本語」の二部構成で、日本語評価試験に合わせて「ことば」「会話・声かけ」「文章」の問題が収録されています。テキストの訂正情報も公式ページで公表されているため、学習の前に最新の訂正を確認しておくと安心です。
準備の進め方の例です。まず各生活場面(移動・食事・排泄・みじたく・入浴・家事)のことばを声に出して読み、日本語学習のWebコンテンツ「にほんごをまなぼう」も併用できます。次に会話・声かけの問題で、時刻と話者を区切って読む練習をします。最後に文章の問題で、事実と未確認の区別を確かめます。仕上げに、厚生労働省ページのサンプル問題で本番の形式に慣れてください。
日本語基礎テストや日本語能力試験の学習と、この介護の日本語の学習を並行して進めると効果的だとテキストにも書かれています。受験の予約方法、会場、日程は随時更新されるため、申込みの直前に必ず公式ページを開いて確認してください。
- 公式テキスト(改訂2版)で、ことば・会話・文章の三分野を一通り学ぶ
- 生活場面ごとのことばリストを、声に出して読んで定着させる
- 会話問題では「いつ・だれが・何を」を一文ごとに区切って読む
- 文章問題では、起こったことと未確認のことを分けて書き出す
- サンプル問題と試験日程は、申込み前に公式ページで最新を確認する
出典: 介護分野における特定技能外国人の受入れについて(厚生労働省) — 「2.特定技能評価試験及び日本語試験について」の試験概要・受験資格・申込み方法の節; 介護分野の特定技能評価試験学習用テキスト 改訂2版(2025年3月) — はじめに・本書の使い方、介護の日本語パート(ことば・会話・声かけ・文章)、記録の基本; お詫びと訂正(学習テキスト改訂2版の訂正、2025年6月10日更新) — 訂正箇所一覧
出典
事実確認済み:
