製造分野特定技能1号評価試験は、17の区分から自分の業務に合う区分を選んで受けます。現在の公式案内では学科・実技ともCBTで各40分、合格基準は学科65%以上、実技60%以上です。このガイドでは機械金属加工の教材を使い、安全確認、寸法公差、不適合品率を練習します。他の区分では、それぞれの公式教材で学習範囲を確認してください。
この試験が確認する技能と17の試験区分
工業製品製造業分野で特定技能1号として働くために必要な技能水準を確認する試験です。17の試験区分から、自分の業務に合う区分を選んで受験します。
製造分野特定技能1号評価試験は、経済産業省の所管する工業製品製造業分野で1号特定技能外国人を受け入れる際に求められる、相当程度の知識または経験を必要とする技能を確認する試験です。一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)が実施しています。試験の水準は、特別な育成・訓練を受けなくても一定の業務をすぐに遂行できることを確認する観点から、技能検定3級と同等とされています。
試験区分は17区分あり、機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理、紙器・段ボール箱製造など多岐にわたります。区分ごとに対応する業務が定められているため、まず自分の従事する(または従事予定の)作業がどの区分に当たるかを、公式ページの「試験区分と業務の対応関係」で確認してください。
出典: 製造分野特定技能1号評価試験 試験概要|一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM) — 試験の目的、試験概要、スケジュールの各節
出題形式と合格基準
学科・実技ともCBT方式で各40分です。学科では問題文が正しいか誤りかを選び、実技では作業工程や材料に関する内容から正しい答えを選びます。合格基準は学科65%以上、実技60%以上です。
現在のJAIM試験概要は、学科と実技の時間、方法、合格基準を示しています。教材や過去問題例の問題数だけから、17区分すべての最新の問題数を決めつけないようにしましょう。
日本語の問題文は最後まで読み、条件や否定を確かめます。学科40分と実技40分では、それぞれに合格基準がある点も押さえてください。
| 項目 | 学科試験 | 実技試験 |
|---|---|---|
| 出題形式 | 真偽法(〇か×かを選ぶ) | 多肢選択による判断等の試験、計画立案等の作業試験 |
| 時間 | 40分 | 40分 |
| 合格基準 | 正答率65%以上 | 正答率60%以上 |
出典: 製造分野特定技能1号評価試験 試験概要|一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM) — 試験の目的、試験概要、スケジュールの各節; 製造分野特定技能1号評価試験 機械金属加工区分 学習用参考テキスト(JAIM) — 第1章 試験の概要と学び方、第2章 安全衛生、第5章〜第7章(検査・測定・製図)
学習範囲の全体像:機械金属加工区分を例に
学習範囲は区分ごとに異なります。ここでは機械金属加工区分の公式テキストを例に、安全衛生から測定・検査までの章立てを確認します。
学習用参考テキストの章立ては、安全衛生、品質管理、一般知識、検査、測定、製図、機械の操作・管理、金属材料と金属加工、そして電気機器・成形・塗装・包装・アルミニウム圧延・押出製品製造です。
具体的には、5Sや保護具といった職場の安全の基礎、ノギスやマイクロメータによる測定、寸法の公差や幾何公差の読み方、引張試験や非破壊検査といった検査の知識までが学習対象になります。これらはいずれも、この区分に対応する鋳造、機械加工、溶接、塗装など多様な業務に共通する基礎です。
他の16区分では学習内容が変わります。JAIMの試験関連資料ページには、電気電子機器組立て、金属表面処理、縫製など各区分の過去問題例と学習用参考テキストが公開されています。受験する区分の資料を必ず入手してください。
出典: 製造分野特定技能1号評価試験 機械金属加工区分 学習用参考テキスト(JAIM) — 第1章 試験の概要と学び方、第2章 安全衛生、第5章〜第7章(検査・測定・製図); 試験関連資料|製造分野特定技能評価試験(JAIM) — No.1 Examination Related Materials(過去問題例・学習用参考テキストの一覧)
安全衛生:止めて報告する判断と職場の基礎ルール
安全衛生はどの区分でも基礎となる分野です。異常時に機械を止めて上司に報告すること、5Sやほうれんそう、作業に適した保護具の選択が中心です。
公式テキストの要点は、職場のルールを守ること、知らない機械や道具には勝手に触れず上司に確認すること、そして異常(変な音、におい、振動など)に気づいたら機械を止めて上司に報告し、指示に従うことです。個人の判断で動き続けると、状況を悪化させたり自分自身が危険にさらされたりするおそれがあります。
職場の基礎ルールとして、報告・連絡・相談を組み合わせた「ほうれんそう」、整理・整頓・清掃・清潔・躾の「5S」、置き場所・置くもの・置く量を定める「三定」が挙げられています。これらは安全に、確実に、効率良く仕事をするための基本です。
保護具は作業ごとの危険に合わせて選びます。同じ手袋でも、ボール盤のように回転する工具を使う作業では巻き込まれる危険があるため、ある作業で保護具になるものが、別の作業では危険要因になることに注意が必要です。
また、イラストや写真から仕事の危険を見つけて話し合う危険予知トレーニング(KYT)の4ラウンド法や、小さな事故の積み重ねの背後に大きな事故が潜むというハインリッヒの法則も学習項目です。ヒヤリ・ハットを無視せず対策することで大きな事故を防ぐ、という考え方を押さえておきましょう。
練習問題
ボール盤で金属部品に穴をあける作業を行うことになりました。手を保護するために綿の軍手を着用しようと考えています。この判断は適切ですか。
答えを見る
適切ではありません。この作業では軍手を着用しないでください。
回転しているドリルに軍手が巻き込まれ、手をけがするおそれがあります。保護具は作業によって適切なものが異なり、ある作業では保護具になる手袋も、回転工具を使う作業では危険要因になります。作業に適した保護具を選ぶことが大切です。
- 異常に気づいたら:機械を止め、上司に報告し、指示に従う
- ほうれんそう:報告・連絡・相談。結論は先に、分かりやすく伝える
- 5S:整理・整頓・清掃・清潔・躾。三定(定位・定品・定量)で「誰でも、いつでも、迷わず」探せる職場に
- 保護具:作業ごとの危険に合ったものを着用する
出典: 製造分野特定技能1号評価試験 機械金属加工区分 学習用参考テキスト(JAIM) — 第1章 試験の概要と学び方、第2章 安全衛生、第5章〜第7章(検査・測定・製図)
測定と品質の基礎を練習問題で確認する
測定の章ではノギスやマイクロメータなど、検査の章では不適合品率の計算や各種の検査方法を学びます。公差と不適合品率を題材にして判断の流れを確認しましょう。
測定の章では、ノギスやマイクロメータによる直接測定、ダイヤルゲージによる比較測定、基準ゲージ・限界ゲージを学びます。検査の章では、品質検査の基本、不適合品率の計算、引張試験などの材料試験、非破壊検査、官能検査が対象です。
次の練習問題では、解き方の前提を問題文の中にすべて明示しています。実際の試験でも同じように、日本語の問題文を最後まで読んで条件を確認することが得点につながります。
練習問題
次の二問に答えてください。 (1)軸の外径寸法に公差20.00±0.05mmが指示されました。この±0.05mmの公差は、許容される寸法が基準寸法20.00mmに対して19.95mm以上20.05mm以下であることを意味するものとします。測定して19.94mm、20.04mm、20.06mmの三つの値が得られたとき、公差内と判断できるのはどれですか。 (2)あるロットから400個を検査したところ、12個に不適合品が見つかりました。不適合品率を「不適合品数÷検査した個数×100(%)」として計算してください。また、このロットから20個を抜き取って検査し、20個すべてが良品だった場合、残りの製品にも不適合品が混ざっていないと保証できますか。なお、抜取検査は「ロットからサンプルを取り、その結果からロットの合否を判断する方式」であるものとします。
答えを見る
(1)公差内と判断できるのは20.04mmのみです。(2)不適合品率は12÷400×100=3.0%です。抜取検査では、サンプル外の製品に不適合品が混ざっていないことを保証できません。
(1)許容範囲は19.95mm以上20.05mm以下です。19.94mmは下限を下回り、20.06mmは上限を上回るため、この範囲に収まる20.04mmだけが公差内です。(2)12÷400=0.03なので、3.0%です。抜取検査はサンプルの結果からロットの合否を判断する方式であり、サンプルがすべて良品でも、検査しなかった残りの製品の良否まで保証する仕組みではありません。
出典: 製造分野特定技能1号評価試験 機械金属加工区分 学習用参考テキスト(JAIM) — 第1章 試験の概要と学び方、第2章 安全衛生、第5章〜第7章(検査・測定・製図)
公式資料を使った学習の進め方
まず受験区分の学習用参考テキストと過去問題例を入手し、繰り返し読んで日本語と専門用語に慣れることが公式にも勧められています。
JAIMの試験関連資料ページには、2025年の過去問題例と、区分ごとの学習用参考テキストが公開されています。過去問題例は実際のCBTでの出題形式と多少異なる場合がある点に注意してください。あくまで内容の例として使い、本番はCBTでの操作に慣れておくことが大切です。
学習の進め方として公式テキストは、①テキストの日本語が分かるように日本語の勉強も並行して進めること、②専門的な用語は職場の上司や同僚に質問して理解すること、③意味を調べなくても分かるまで何度も繰り返し読むこと、④真偽を判断するときは文の最後まで丁寧に読むこと、の四点を挙げています。特に④は、途中で読み止めると正反対の意味に理解してしまうことがあるため、真偽式の問題では重要です。
CBTで問われるのは知識の選択であり、実際の作業技能そのものを代替するものではありません。試験対策と並行して、職場でのOJT(上司が作業を説明し、やって見せ、本人がやってみて助言を受ける教育方法)などを通じて技能を身につけてください。受験前には、受験区分と対応業務の関係、スケジュール、本人確認書類を公式ページで最終確認しましょう。このサイトの無料練習問題と学習ガイドも、仕上げの確認に利用できます。
- 自分の試験区分の学習用参考テキストと過去問題例を入手する
- テキストを繰り返し読み、分からない用語は職場の上司や同僚に質問する
- 問題文は最後まで読んでから〇×を判断する
- 受験区分の対応業務、試験日程、本人確認書類を公式ページで確認する
出典: 試験関連資料|製造分野特定技能評価試験(JAIM) — No.1 Examination Related Materials(過去問題例・学習用参考テキストの一覧); 製造分野特定技能1号評価試験 機械金属加工区分 学習用参考テキスト(JAIM) — 第1章 試験の概要と学び方、第2章 安全衛生、第5章〜第7章(検査・測定・製図)
出典
事実確認済み:
