2号評価試験は学科40問60分、実技25問40分のCBTで、両方とも合計点の75%以上が合格基準です。教材は1号と共通のテキスト1〜7に、3区分共通の職長テキストを加えたものです。学習では職長テキストの「指示・確認・安全管理」を軸にし、本記事の工程計算と安全場面の2題を解いて判断の理由を言葉にしてください。用語は対比表で似た言葉の違いを押さえ、公式の圧縮版テキスト・多言語版・サンプル問題で仕上げます。
出題形式と合格基準を最初に確認する
学科試験は40問60分、実技試験は25問40分のCBT方式で、どちらも4択式です。合格基準は学科・実技それぞれで合計点の75%以上です。
CBT方式とは、パソコンで受ける選択式テストのことです。JACの公式ページにCBTの操作を体験できる版が用意されているので、本番前に操作に慣れておくと安心です。
職種区分は「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つです。自分の仕事に合う区分を選びます。試験への合格だけで在留資格が認められるわけではなく、実務経験などの要件は公式案内で確認してください。
国内試験の実施方法は2025年12月から変更されています。受験を計画するときは、JACの最新の受験案内で開催日・会場・手続を必ず確認してください。
| 試験 | 問題数 | 試験時間 | 出題形式 | 合格基準 |
|---|---|---|---|---|
| 学科試験 | 40問 | 60分 | 4択式(CBT) | 合計点の75%以上 |
| 実技試験 | 25問 | 40分 | 4択式(CBT) | 合計点の75%以上 |
出典: 建設分野特定技能評価試験|建設技能人材機構【JAC】 — 試験概要(1号・2号の概要と教材一覧)、試験実施情報、新着情報
学習範囲と公式教材の構成
学科テキスト1~4と実技テキスト5~7は1号試験と共通で、2号ではさらに3職種区分共通の職長テキストが加わります。
つまり2号の学習量は、1号の基礎テキスト全体に職長テキストを足したものになります。職長テキストは土木・建築・ライフライン・設備のどの区分を受けても同じ1冊です。
JACではページ数を減らして学習しやすくした圧縮版テキストを、日本語のほかに英語・インドネシア語・ベトナム語など多数の言語で公開しています。参考資料として自分の言語版を併用できます。
公式サイトには学科・実技のサンプル問題も掲載されています。教科書を読む前にサンプル問題を一度解くと、問われ方の型がつかめて学習の優先順位を決めやすくなります。
出典: 建設分野特定技能評価試験|建設技能人材機構【JAC】 — 試験概要(1号・2号の概要と教材一覧)、試験実施情報、新着情報
職長テキストの核心は「指示・確認・安全管理」
職長テキストの中心は、作業員に適切な指示を出し、安全を最優先で現場を進める職長の役割です。報告・連絡・相談(ホウレンソウ)と確認が学習の背骨になります。
テキストは職長の役割を具体的に列挙します。現場の安全確保、作業計画の確認と作業手順の調整、資材や機械の点検、設計品質と施工品質の確保、他職種との連絡・調整、現場責任者や会社への報告などです。日々の作業で問題があれば現場責任者や会社に報告し、指示されたことは作業員にわかりやすく伝えて理解を確認する、という流れを自分の言葉で説明できるようにします。
安全管理の章は、安全ミーティングの実施、朝礼での危険予知(KY)活動、機械・工具の定期的な点検・整備、カラーコーンなどによる危険箇所の見える化を扱います。安全規則は作業員全員が守って初めて機能するため、職長は規則が守られているかを厳しく監督し、違反があれば速やかに指導する立場です。
マネジメントの部分では、計画に基づいて実行し、進捗や品質をチェックして改善するPDCAサイクルと、変化の激しい状況に観察から入って素早く対応するOODAループの使い分けが説明されています。問題を解くときの思考の枠組みとして、両者の違いを一言で言えるようにしておきましょう。
- 職長の役割:安全を何よりも優先し、適切な指示で目標達成に向けて作業を進める
- ホウレンソウ:報告・連絡・相談に加え、指示した相手の理解を確認する
- 安全管理:安全ミーティング、KY活動、機械・工具の点検、危険箇所の見える化
- 思考の枠組み:PDCAサイクルとOODAループの違いと使い分け
出典: 建設分野特定技能2号評価試験 職長テキスト(JAC) — 第1章 職長の職務、第2章 現場管理(安全管理)、第3章 安全衛生活動
練習問題1:工程の依存関係を計算する
逐次依存の作業は、遅れが後続の作業にすべて押し付けられます。前提を守ったまま答えると、全体は6時間、Aが1時間遅れた場合は7時間です。
施工管理では「どの作業がどの作業の完了を待つか」を読み取る力が求められます。次の問題は本記事のオリジナル演習です。前提をよく読んでから解いてください。
練習問題
【前提】1つの班が、同じ作業員で休憩・移動時間なしに連続して作業します。作業A(2時間)→作業B(3時間)→作業C(1時間)の順で、各作業は前の作業が完了しなければ始められません。【問1】予定開始時刻を0時間目としたとき、全作業が完了する最短時間は何時間ですか。【問2】Aが1時間遅れて始まった場合、B・Cの順序と内容を変えず、安全性や確認を省略しないとき、予定開始時刻から数えた最短完了時間は何時間目ですか。理由も説明してください。
解答を表示
問1は6時間。問2は7時間です。
問1は依存関係が直線的なので、各作業時間を足すだけです。2+3+1=6時間。問2ではAの完了が3時間目になり、Bはその後3時間(3~6時間目)、Cはさらに1時間(6~7時間目)かかります。並行作業や人員追加が前提にないため、Aの1時間の遅れがそのまま全体に転嫁されます。確認や安全手順を省く変更は前提に含まれず、職長テキストの原則でも改善は安全性を最優先に考えることとされています。遅れが出た場合は、危険を冒して圧縮するのではなく、計画の再調整を現場責任者に相談する判断につなげてください。
出典: 建設分野特定技能2号評価試験 職長テキスト(JAC) — 第1章 職長の職務、第2章 現場管理(安全管理)、第3章 安全衛生活動
練習問題2:危険区域を動かされたときの職長の判断
まず作業を止めて区域から出てもらい、カラーコーンが危険を示しているという事実を具体的に伝えて元に戻してもらいます。人格ではなく行動を指摘し、理解を確認します。
職長テキストでは、色分けによる危険箇所の見える化と、違反があったときの速やかな指導が職長の務めとして説明されています。経験年数の長さは判断基準になりません。次の問題で判断の理由まで説明できるか確認してください。
練習問題
朝の安全ミーティングの後、経験年数の長い作業員が、危険区域を色分けしたカラーコーンを動かして資材運びの動線を短くし、その区域に入って作業を始めました。職長としてまず何をし、どのような指示とフィードバックを行うべきか説明してください。
解答を表示
まず作業を止めて、その作業員に区域から出てもらいます。次に、カラーコーンはこの区域の危険を示すために置かれているという事実を具体的に伝え、元の位置に戻してもらいます。そのうえで、安全な動線で資材を運ぶ方法を一緒に確認し、相手が理解したかを確かめてから作業を再開します。フィードバックは「あなたはだめな人だ」などの人格への非難ではなく、「色分けされた区域に入って作業した」という具体的な行動への指摘にします。
職長テキストによれば、危険箇所はカラーコーンで色分けする見える化がよく行われ、職長は安全規則が守られているかを厳しく監督し、違反があれば速やかに指導すること、事故や危険の防止には安全性を最優先に考えることが求められます。作業員が危険の中で作業を続けている間に説明するのは適切ではないため、最初の行動は停止です。コーチングの手法として、一方的に押し通すのではなく相手の話を聞き、質問を通じて問題を掘り下げ、具体的な事実を指摘してフィードバックすることが説明されています。安全規則は全員が守る必要があるため、経験年数や立場にかかわらず、違反があれば速やかに指導するのが職長の役割です。
出典: 建設分野特定技能2号評価試験 職長テキスト(JAC) — 第1章 職長の職務、第2章 現場管理(安全管理)、第3章 安全衛生活動
学科テキスト4の用語は対比で区別する
学科テキスト4は建設現場の用語を解説する章です。似た言葉は「何の基準か」「何に対して行うか」を対にして覚えると混同しにくくなります。
墨出し関連では、水平の基準高さを示す「陸墨」と、壁や柱の面に表示した垂直方向の線「立て墨」が対になります。土工事では、土砂を盛り上げて平らな地表を作る「盛り土」と、急な斜面の盛り土が滑らないように階段状に地盤を削る「段切り」が対です。
締固め関連も二組押さえましょう。タイヤローラーなどで土を締固めるのが「転圧」、埋戻し土に水を注ぎながら締固めるのが「水締め」です。コンクリートでは、墨出しや建込み用に5~10cmの厚さで平らに打つ「捨てコンクリート」と、工場製品を使わず現場で直接打ち込む「場所打ち」を区別します。
【ミニドリル】問1:埋戻し土に水を注ぎながら締め固めることを、転圧と水締めのどちらと呼びますか。問2:直角の墨を出す作業を何と呼びますか。――解答:問1は水締めです。「水を注ぐ」という条件が区別の根拠です。問2は矩を振る、です。
| 用語のペア | 一方の意味 | もう一方の意味 |
|---|---|---|
| 陸墨 / 立て墨 | 水平を示す基準高さの墨 | 壁や柱の面に表示した垂直方向の線 |
| 盛り土 / 段切り | 土砂を盛り上げて平らな地表を作ること | 急斜面の盛り土が滑らないよう階段状に地盤を削ること |
| 転圧 / 水締め | タイヤローラーなどで土を締固めること | 埋戻し土に水を注ぎながら締固めること |
| 捨てコンクリート / 場所打ち | 墨出し・建込み用に5~10cmの厚さで平らに打つコンクリート | 工場製品を使わず現場で直接コンクリートを打ち込むこと |
出典: 建設分野特定技能評価試験 学科テキスト4(JAC) — 第4章 建設現場で使われる用語(墨出し・遣り方・土工事・地業・足場・鉄筋型枠)
学習の進め方と次のステップ
公式教材と公式サンプル問題を主軸に、圧縮版テキストと多言語版を補助に使います。申込みから合格後の手続まですべてJACの公式案内に従ってください。
教材の分量が多いため、最初にサンプル問題を解いて弱点を見つけ、圧縮版テキストで該当章を読む進め方が効率的です。日本語に不安があれば、まず自分の言語の翻訳版で内容をつかみ、その後日本語版で用語を覚え直すと問題文への対応がしやすくなります。
外国人向けの相談窓口として、FITSが母国語での試験申込みの相談を受け付けています。申込方法で不安がある場合は利用を検討してください。
- 学科テキスト1~4と実技テキスト5~7を、自分の職種区分のものを通読する
- 3区分共通の職長テキストを優先的に学ぶ(2号の中核)
- JACの圧縮版テキストと多言語版を補助に使う
- 学科・実技のサンプル問題とCBT操作体験版で形式に慣れる
- Prometricのサイトで試験詳細と申込みを確認する
- 合格後はJACの案内に従って合格証の申請手続を進める
出典: 建設分野特定技能評価試験|建設技能人材機構【JAC】 — 試験概要(1号・2号の概要と教材一覧)、試験実施情報、新着情報
出典
事実確認:
