木材産業特定技能1号測定試験は、CBT形式で学科32問と実技3問の計35問を60分で解く試験です。出題範囲は林野庁の学習用テキストに整理されており、木材の基礎知識と作業安全が学科(一般)の中心、各製品の製造作業と機械が学科(専門)、作業手順・安全衛生・計算問題が実技です。含水率の意味、回転部での手袋禁止、製品の重ね方の違い、材積と歩止りの計算を、理由とセットで理解することが対策の軸になります。
試験の形式:CBTで35問、60分
木材産業特定技能1号測定試験は、コンピュータで解答するCBT形式で、学科32問と実技3問の計35問を60分で解きます。言語は日本語で、漢字にはふりがなが付きます。
この試験は、一般社団法人全国木材組合連合会が主催し、プロメトリックがCBT(Computer Based Testing、コンピュータで解答する方式)として実施しています。会場は日本とインドネシアにあります。
問題数は、学科試験が32問、実技試験が3問です。学習用テキストの説明では、実技の3問は「判断等試験」と呼ばれる、作業の手順や安全衛生、計算を判断する形式とされています。試験時間は60分です。
電卓は使えませんが、計算問題ではメモが認められています(日本国内・国外の会場とも)。漢字にはふりがな(ルビ)が付くため、日本語の読み取りへの配慮がされています。なお、古い資料では筆記試験と案内されているものがありますが、現在の実施形式はプロメトリックの公式情報を基準にしてください。
出典と公式資料: 木材産業特定技能1号測定試験|試験一覧|プロメトリック — 試験概要・受験にあたって・注意事項・試験当日・試験結果; 特定技能1号評価試験学習用テキスト 木材産業分野(林野庁) — 試験について・第1章〜第4章
出題範囲と配点
出題範囲は、林野庁が公開する学習用テキストに整理されています。配点は学科(一般)56点、学科(専門)18点、実技26点です。
学習用テキストは、林野庁のホームページから無料でダウンロードできます。日本語版のほかに、インドネシア語版とベトナム語版があります。準備の第一歩は、まず自分の言語版のテキストを入手することです。
テキストは、働きたい工場の種類(製材、集成材、合板、プレカットなど)に応じて、重点的に学ぶ章を選べる構成になっています。第1章の基礎はすべての業種に必要で、第2章から第4章は、自分が目指す業種に当てはまる章を重点的に学習してよいとされています。
テキストのほかに、全国木材組合連合会が販売している「製材作業の基礎」や「木材加工・外国人技能実習100問(機械製材)」が、製材業に関わる知識の参考書として紹介されています。購入するかどうかは任意の判断です。
| 区分 | 配点 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 学科試験(一般) | 56点 | 森林・林業・木材産業の概要/木材の性質/作業安全 |
| 学科試験(専門) | 18点 | 各製品の製造作業/使われる機械・装置/各製品の利用 |
| 実技試験 | 26点 | 作業の手順/安全衛生/計算問題 |
出典と公式資料: 参考書の紹介 木材産業分野特定技能制度(全国木材組合連合会) — 学習用テキストと参考書の案内; 特定技能1号評価試験学習用テキスト 木材産業分野(林野庁) — 試験について・第1章〜第4章
木材の基礎知識:断面と含水率
木材の断面の見方、心材と辺材、末口と元口、そして含水率の考え方は、学科(一般)の中心です。特に含水率は、乾燥や製品の学習にも繰り返し登場する基礎です。
木材の断面は「木口面」「柾目面」「板目面」の3つに区別します。木口面は幹に対して垂直に切った断面です。柾目面と板目面は幹を縦に挽いた面ですが、年輪に対する挽き方が異なります。名称だけで外観を決めつけず、公式テキストの図で年輪と断面の位置関係を照合してください。
丸太の中心に近い濃い色の部分を「心材」、その周りの薄い部分を「辺材」と呼びます。心材と辺材の色の違いは樹種によってはっきりしないこともあり、スギでは明らかですが、ヒノキはやや分かりにくいとテキストに説明があります。
含水率とは、木材に含まれる水分の質量を、全乾質量(水分を全く含まない状態の質量)に対する割合で表したものです。式は「(水分を含んだ質量−全乾質量)÷全乾質量×100」です。木材を大気中に長く放置すると含水率はある数値に落ち着き、これを平衡含水率と呼びます。日本では平均で約15%です。
丸太の梢側(細い方)の木口面を「末口」、根元側(太い方)の木口面を「元口」と呼びます。柱として使うときには、木が生えていたときと同じ向き、つまり元口を下にして使うといった決まりごとがあります。
練習問題
ある材の全乾質量が100 g、現在の質量が115 gとします。この材の含水率(%)を計算してください。
解答を表示
15%
現在の質量115 gから全乾質量100 gを引くと、水分の質量は15 gです。含水率は、水分の質量を全乾質量で割るため、分子は15 g、分母は100 gです。したがって15÷100×100=15(%)となります。現在の質量115 gを分母にしない点が重要です。
木材の強さを左右する要素
木材の強さは、力の加え方や方向によって表し方が変わり、密度・含水率・繊維方向・節などで強さが変わります。「何が強さを上げ、何が下げるか」を理由とセットで覚えます。
木材の強さは、力を加える方法や方向によって、圧縮・引張・曲げ・せん断・割裂などで表されます。一般に、密度が大きいほど強さは大きくなります。
含水率との関係は特徴的です。強さは数%から10%前後で最も大きくなり、繊維飽和点(約30%)以上ではほぼ一定になります。また、圧縮や引張の強さは繊維方向(幹の方向)が最も強く、節の周辺では繊維の乱れによって強さが小さくなります。節は圧縮強度よりも引張強度に影響を及ぼす点も、テキストに明記されています。
作業安全:事故の型と機械の安全装置
木材産業の事故の約半分は「切れ・こすれ」と「挟まれ・巻き込まれ」です。服装と保護具の正しい着用、安全装置、点検、4S活動の基本を押さえます。
木材加工の作業で発生する事故の多くは、高速で回転する工具に触れてしまったり、工具を回転させるベルトや材の送り装置に挟まれたりすることで起きています。このため服装では、袖締まりや裾締まりの良い作業服を着用しなければならないとされています。
特に重要なのが手袋です。のこ歯やローラなど回転するところに巻き込まれるおそれのある作業では、衣類のたるみや紐に注意し、手袋や前掛け、手ぬぐいを着用しないようにとテキストに明記されています。作業の内容に合わせて、保護メガネ、マスク、安全靴、耳栓などの保護具を正しく着用します。
機械の安全装置は、二つの考え方に基づいて設計されています。一つは「フール・プルーフ」で、人は過ちを犯す前提として、回転部にカバーで隔離したり、修理でカバーを開けると電気回路が遮断されるインターロックなどを設けます。もう一つは「フェール・セーフ」で、異常や失敗が起きても安全側に作動させ、機械全体として安全を保つ考え方です。これらの安全装置は身体を守る大切なものなので、取り外して機械を使用してはいけません。
機械や刃物の不具合は事故につながるため、使用前や定期的な点検が重要です。点検で異常が分かったときは、すぐに調整・修理する必要があるとテキストに示されています。また、「整理・整頓・清潔・清掃」を日常的に行う4S活動は、接触や転倒のリスクを減らします。
練習問題
回転するのこ歯の近くで材を送る作業をするとき、手を守るために手袋を着用しました。この判断は正しいですか。
解答を表示
正しくありません。回転する部分に巻き込まれるおそれのある作業では、手袋は着用しないのがテキストの指導です。
手袋は保護具の一つに思えますが、のこ歯やローラなどの回転部では、手袋ごと手が巻き込まれる危険があります。保護具は「作業の内容に合わせて正しく着用する」ことが前提で、回転部の近くの作業では手袋・前掛け・手ぬぐいを着用しないとされています。保護具なら何でも着用すれば安全、ではない点が判断の要点です。
製造工程と主な製品の見分け方
製材の工程は「はく皮→木取り→製材→乾燥→選別・結束・出荷」が基本です。合板は単板の繊維方向を交差させ、LVLは単板を主に平行に、集成材はラミナの繊維方向を平行にして積層する点を区別します。
はく皮は、バーカ(barker)という機械で丸太から樹皮を取り除く工程です。樹皮や土砂による鋸歯の損傷を防ぐ、木取りをやりやすくするなどの目的があります。木取りは、丸太のどの位置からどのような製材品を挽くかを決める作業で、歩止り(使用した丸太の材積に対する生産された製材品の材積の割合)や価値を大きく変える、最も重要な作業の一つとされています。
乾燥には天然乾燥と人工乾燥の2つの方法があります。天然乾燥は屋外に木材を桟積みし、太陽熱や風を利用する方法で、風通しと水はけの良い場所に、主な風向きと直角方向に桟積みし、必ず屋根がけをします。日数が長くなるため、割れやすい材やカビやすい材、腐りやすい材には不向きとされます。人工乾燥は乾燥機の中の温度・湿度・圧力を制御しながら乾燥させる方法で、乾燥による割れを少なくし、早く乾燥させることができます。
製品は、材料と繊維方向の組み合わせで区別します。合板は丸太から削り出した単板を、隣り合う層の繊維方向が互いに交差するように重ねて接着した面材料です。LVL(単板積層材)は単板を、繊維方向が主に平行になるように積層します。集成材は単板ではなく、乾燥した挽き板であるラミナを、繊維方向が平行になるように積層・接着した材料です。単板の厚さは製品や規格によって異なるため、ここでは一律の厚さを示しません。
プレカットは、木造住宅に使われる部材の切断や、継手・仕口の加工を、建築現場に持ち込む前に工場で機械を使って行うことです。コンピュータで制御した機械で加工するため、高精度・高品質の部材が安定して得られます。
練習問題
次の3つの説明に当てはまる製品名を、合板・LVL・集成材から選んでください。 (ア)単板を、隣り合う層の繊維方向が互いに交差するように重ねて接着した面材料。 (イ)単板を、繊維方向が主に平行になるように積層した材。 (ウ)乾燥した挽き板(ラミナ)を、繊維方向が平行になるように積層・接着した材。
解答を表示
(ア)合板、(イ)LVL、(ウ)集成材
材料と繊維方向の両方を見ます。単板を交差させるのが合板、単板を主に平行に積層するのがLVL、単板ではなくラミナを平行に積層するのが集成材です。単板の厚さは製品や規格で異なるため、製品名を一律の厚さだけで判断しません。
計算問題の練習:材積と歩止り
実技試験には計算問題が含まれます。材積と歩止りは、式の意味さえ理解すれば机上で確実に解けるタイプです。ここで2問を通して解きます。
電卓は使えませんが、計算問題ではメモが認められています。数値が大きな桁にならないよう設計された問題でも、単位をそろえて落ち着いて計算する習慣が大切です。
練習問題
【問1】厚さ0.05 m、幅0.10 m、長さ3 mの角材が10本あります。材積の合計は何m³ですか。 【問2】丸太1.2 m³を使って製材したところ、製材品が0.72 m³できました。このときの歩止り(%)を求めてください。なお、歩止りとは、使用した丸太の材積に対する生産された製材品の材積の割合です。
解答を表示
【問1】0.15 m³ 【問2】60%
【問1】1本の材積は縦×横×高さで、0.05×0.10×3=0.015(m³)。10本なので0.015×10=0.15(m³)です。寸法の単位がすべてmにそろっていれば、この通り掛けるだけで材積が出ます。【問2】歩止り=(製材品の材積÷丸太の材積)×100=(0.72÷1.2)×100=60(%)です。分母が「使用した丸太」の側、分子が「生産された製材品」の側という定義を確認してから式を立てれば、迷わず計算できます。
出典と公式資料: 木材産業特定技能1号測定試験|試験一覧|プロメトリック — 試験概要・受験にあたって・注意事項・試験当日・試験結果
申込みから試験当日まで
受験はプロメトリックIDの作成から始まります。予約は試験日の3営業日前まで(土日祝の場合は4営業日前まで)可能ですが、予約後のキャンセルと返金はできません。
受験資格は、試験日において満17歳以上であること(国籍がインドネシアの場合は満18歳以上)です。国内で受験する場合は、これに加えて在留資格を有することなどが条件に含まれます。
予約は試験日の59日前から、最短で試験日の3営業日前の23:59(日本時間)まで変更が可能です。試験日が土日や日本の祝日の場合は4営業日前までです。ただし、予約完了後のキャンセルはできず、試験当日の欠席にかかわらず受験料金やバウチャーの返金、再発行は行われません。予約前に日程と登録内容をよく確認してください。
一人で複数のプロメトリックIDを取得することは禁止されています。別のIDで受験した場合、受験結果が無効となることがあります。氏名は本人確認書類の記載どおりに入力してください。
試験当日は、開始の30分前までに会場へ到着する必要があり、遅れた場合は受験できません。有効期限内で写真付きの本人確認書類の「原本」の提示が必要で、コピーは無効です。結果はマイページの結果通知書で確認できますが、結果通知書自体は合格証明書ではありません。合格後、受入れ機関との雇用契約が結ばれる段階で、受入れ機関から試験実施者へ合格証明書の発行申請が行われます。
- 申込みの流れ:プロメトリックID作成→ログイン・予約→受験→マイページで結果確認
- 再受験:受験日の翌日から起算して45日間経過後までは認められません
- 当日の持ち物:確認書と、有効な写真付き本人確認書類の原本
- 受験料金と支払方法:国ごとに異なるため、公式の「国別受験料金」「国別支払方法」で確認
出典と公式資料: 木材産業特定技能1号測定試験|試験一覧|プロメトリック — 試験概要・受験にあたって・注意事項・試験当日・試験結果
出典と公式資料
事実の確認状況:
